Technical Note TN2025
Mac OS X: versions 10.0.1 through 10.0.4

このテクニカルノートはシステムソフトウェアアップデート10.0.1から10.0.4までの変更点を説明しています。

このテクニカルノートはMac OS X用の製品を開発しているデベロッパ向けですので、APIやテスティングに関わる変更点を中心に説明しています。各ソフトウェアアップデートの変更点をすべて明記しているものではありません。

目次

[2001年7月26日]






ソフトウェアアップデート1.3.1

ソフトウェアアップデートはインターネット経由で最新のシステムソフトウェアを入手およびインストールするための仕組みを提供しています。ソフトウェアアップデートクライエント1.3.1は別途の自動アップデートとして提供されています。

  • ソフトウェアアップデートは通信障害などで止まったダウンロードを継続してダウンロードできるようになりました。(rr. 2482289, 2626156)

  • コンピュータの管理者がパスワードを空に設定していた場合でも、ソフトウェアアップデート実行できるように改善しました。(r. 2664543)

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Mac OS X 10.0.1

General

ここではソフトウェアアップデート10.0.1の変更点で、以下の分類に属さないものを記述しています。

  • “共有”コントロールパネルで、リモートユーザのtelnetによるログインが許可されない問題を解決しました。(r. 2642204)

  • コンピュータにモニタを2台接続した後にモニタを1台切り離すと、再起動の際にloginwindowアプリケーションがクラッシュする問題を解決しました。この問題はモニタが2台接続されている状態でスクリーンセーバのホットコーナーを設定した場合のみ発生していました。(r. 2651694)

  • Mac OS X 10.0.1以降では、“リモートログインを許可する”チェックボックスはSSHのみを許可します。その他のログインサービス(telnet、rlogin、rsh)は許可されません。(r. 2659900, 2680762)

    註:
    その他のログインサービス(telnet、rlogin、rsh)を使用したいデベロッパは以下の手順により、設定することができます。

    1. Terminalを起動します。

    2. /etc/inetd.confを好みのテキストエディタで編集します(編集するにはルート権限が必要です。)例えば、Mac OS XのTextEditアプリケーションで編集する場合は、Terminalから次のコマンドを入力します。

      sudo /Applications/TextEdit.app/Contents/MacOS/TextEdit /etc/inetd.conf
      
    3. “#telnet”、“#login”、“#shell”などで始まる行を探して、使用したいサービスはコメント文字“#”を行頭から削除します。

    4. コンピュータを再起動させるか、プロンプトで以下のコマンドを入力してinetdサービスを再起動させます。

      kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid`
      

    ただし、これらのサービスは暗号化されていないので、サービスを利用した時に送受信されるデータ(パスワードなどを含む)は、監視用のソフトウェアやハードウェアで入手できます。



  • Classicアプリケーションの書類をFinderでダブルクリックした時に、そのClassicアプリケーションが既に起動している場合は、書類が正しく開かれない場合がありました。この問題を解決しました。(r. 2654742)

  • SCSI接続の外付けCDドライブあるいはDVDドライブにCDを挿入した際にカーネルパニックが発生する可能性がありましたが、この問題を解決しました。(r. 2593160)

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Apple Filing Protocolクライアント

Apple Filing Protocol(AFP)クライアントはAFPファイルサーバへのアクセスを可能にします。

  • ボリューム選択ダイアログのOKボタンが使用不可能な状態でreturnキーを押すとダイアログが消える問題を解決しました。(r. 2613419)

  • AFPサーバから大量のファイルをコピーした時のFinderの対応を改善しました。(r. 2652633)

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ATSUI

Unicodeは様々な言語で使用されている文字を16ビットの数字コードで表すための規格です。Apple Type Services for Unicode Imaging(ATSUI)のシステムサービスにより、Mac OSアプリケーションはUnicodeテキストを描画することができます。ATSUIはUnicodeテキストを描画する低レベルな機能と、QuickDraw GXが過去に提供していた高度なレイアウト機能を備えています。

  • 主要言語が日本語に設定されている場合、フォントパネルのフォントポップアップメニューをクリックするとアプリケーションがクラッシュすることがありました。この問題が解決されました。(r. 2651412)

  • “.Keyboard”フォントの文字を含むメニュー項目をDrawThemeMenuを使って描画した際にクラッシュすることがありました。この問題が解決されました。(r. 2651752)

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Classic

ClassicはMac OS Xの保護されたメモリ空間内でMac OS 9.1を実行するための環境です。Classic環境によって、Mac OS 9用に開発されたアプリケーションのほとんどが、Mac OS X用に開発されたアプリケーションと同時に実行できます。ユーザは、今まで使ってきたソフトウェアとの互換性を心配せずにMac OS Xへアップグレードできるのが最大の利点です。

  • Classic環境使用中にカーソルが突然消える問題を解決しました。(r. 2650643)

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カーネル

カーネルはオペレーティングシステムの最も下のレイヤーで、システムソフトウェアサービスとハードウェアの間の調整を行います。

  • 1つのFireWireハブにたくさんのFireWireハードディスクを接続して、そのFireWireハブを切り離すとカーネルパニックが発生することがありました。この問題を解決しました。(r. 2652891)

  • getattrlistを呼び出した時にデッドロックが発生する可能がありましたので、修正しました。(r. 2650684)

  • 一部のデュアルプロセッサモデルは、スリープする時間になるとスリープではなく、システム終了することがありました。この問題を解決しました。(r. 2653840)

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USB 1.8.1

Mac OS USBはUSBハードウェアを備えたMacintoshシステムでUSBサービスを提供します。

  • サードパーティのZip CD BurnerでHFS形式のパーティションがマウントできない問題を解決しました。(r. 2571027)

  • 一部のサードパーティUSB機器をホットプラグあるいはホットアンプラグした時に発生するカーネルパニックを修正しました。(rr. 2644892, 2653197, 2651246, 2650700, 2650292, 2653740, 2652598)

  • サードパーティのデジタルカメラをマウントする機能を改善しました。(r. 2644893)

  • バルクインパイプでReadPipeAsync(0x2000)が正しいバイト数を返していなかった問題を修正しました。(r. 2647715)

  • さらに多くのサードパーティUSBモデムが使用できるように改善しました。(r. 2649923)

  • IOUSBUserClient.hヘッダにIOUSBUserClientInitのクラス定義が追加されました。 (r. 2659374)

  • データを受け取らないDeviceRequestでも正しく動作するように修正しました。(r. 2661216)

  • 4K以上のバッファサイズでControlRequestAsyncとControlRequestが呼ばれた場合の動作を改善しました。(r. 2664354)

  • 一部のサードパーティUSBシリアルアダプタを使用した時に発生するカーネルパニックを修正しました。(r. 2657301)

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Mac OS X 10.0.2

ここではソフトウェアアップデート10.0.2の変更点で、以下の分類に属さないものを記述しています。

  • ソフトウェアアップデート10.0.1はmachカーネルをルートディレクトリにインストールする際にinvisibleビットをオフにしていました。このため、machカーネルのファイルがMac OS 9から見えていましたが、ソフトウェアアップデート10.0.2はinvisibleビットを正しくオンにしています。(r. 2681213)

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Appleイベント

Appleイベントはアプリケーション間通信とアプリケーション内通信の簡単な枠組みを提供しています。

  • StringからBooleanへの変換ハンドラがクラッシュすることがありました。この問題を解決しました。(r. 2647241)

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Apple File Server

Apple File Serverは他のMac OSコンピュータとのファイル共有を可能にします。

  • AFPサーバがSIGABRTメッセージを受け取った時の動作を改善しました。(r. 2672862)

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オーディオ

Mac OS Xのオーディオサービスは様々な形式でサンプリングされた音声の再生/録音用APIを提供しています。

  • 一部のコンピュータで、DMAディスクドライバによってサウンドが止まる問題を修正しました。(r. 2668216)

  • USBオーディオは更に多くのUSBマイクをサポートできるように改善されました。(r. 2610501)

  • 一部のUSBマイクで音質を向上させるために、入力の調整機能を追加しました。(r. 2662841)

  • 一部のG3コンピュータで、ヘッドホンを外した際に、音声出力が内蔵スピーカに切り替わらない問題を解決しました。(r. 2643864)

  • iBook(Dual USB)でビデオ出力ポートが正常に動作するように改善しました。(r. 2648943)

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Carbon

Carbon APIはアプリケーションで使用されるユーザインタフェース機能(Window Manager、Control Manager、MLTEなど)を中心に提供します。

  • 絵を含むベベルボタンがすべての場合に正常に描画されるようにしました。(r. 2621061)

  • Unicode Text Editコントロールは、オプションキーやタブキーについても、キーボードのフィルタ関数を呼び出すように変更しました。(r. 2657357, 2672865)

  • Data Browserコントロールにある複数のデータIDを削除した時に発生するクラッシュを解決しました。(r. 2658469)

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Carbon Core

Carbon CoreはCarbonのユーザインタフェースを伴わない部分(メモリ管理、プロセス管理など)の実装コードです。

  • CSCopyUserNameとCSCopyMachineNameはCFStringのretainカウントを正しく増やしていませんでした。その結果、CFReleaseが呼び出されるタイミングでretainカウントがゼロになる、文字列が削除されていました。この問題は解決されました。(r. 2665708)

  • InstallExceptionHandlerは既に存在するスレッドに対して有効でしたが、呼び出した後に作成されるスレッドについては有効ではありませんでした。この問題は解決され、InstallExceptionHandlerを呼び出したあとに作成されるスレッドについても有効となります。(r. 2677122)

  • システムアップデート10.0.2から、GestaltのgestaltSystemVersionはシステムアップデートのバージョン番号を返すようになりました。システムソフトウェア10.0.0とシステムアップデート10.0.1は供に10.0.0を返します。(r. 2667654)

  • オーディオCDに対してGetVolInfoを呼び出すと、ディスクがロックされていることを示すioVAtrbフラグが正しく設定されていませんでした。この問題を解決しました。(r. 2653440)

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カラー

ColorSyncはシステムレベルでドキュメント、印刷物、周辺機器などのカラー管理をサポートします。

  • サードパーティのラスタープリンタで印刷を行った際のカラーマッチング機能を改善しました。(r. 2658478)

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Disc Recording

Disc Recordingフレームワーク(ソフトウェアアップデート10.0.2で導入)はCD-RWドライブを内蔵したコンピュータや、多数のUSBとFireWireの外付けCD-RWドライブでCDの作成を可能にします。

  • iTunes Mac OS X対応版はCDの作成をサポートします。(r. 2650906)

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DrawSprocket

DrawSprocketはゲームなどの開発に便利な描画サービスを提供しています。

  • DrawSprocketのSwitch/Queueの仕組みが正しく動作していませんでした。これは修正されました。(r. 2673855)

  • DSpFindBestContextOnDisplayIDが最適な周波数を返していませんでした。これは修正されました。(r. 2664399)

  • 前面のdraw sprocketコンテキストがメインモニタ以外のモニタで動作している場合でも、DSpContext_GetFrontBufferはメインモニタの参照番号を返していました。この問題を修正しました。(r. 2665075)

  • 8ビットのカラーテーブルを作成すると、DSpContext_SetCLUTEntriesは画面をランダムな色に塗り替えていました。DSpContext_SetCLUTEntriesは画面を塗り替えないよう変更しました。(r. 2663971)

  • DSpContext_FadeGammaは画面を元に戻す場合でも、画面を黒の状態で残すことがありました。DSpContext_FadeGammaは期待通りの動作をするように変更されました。(r. 2656253)

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Ethernet

Ethernetソフトウェアはアップル製品に含まれているEthernetハードウェアを制御し、低レベルネットワークサービスを実現しています。

  • 一部の機種で、コンピュータをスリープさせた時にEthernetハードウェアへの電力供給が正しく停止されていなかったため、バッテリの電力が不必要に消費されていたことを改善しました。(r. 2674181)

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Finder

Finderはグラフィカルインタフェースを使ったファイルシステムの操作を提供します。

  • フォルダの内容が変わったにもかかわらず、Finderの表示が更新されない問題を解決しました。Finderはフォルダの更新日時が変更された時に、該当するウインドウ内容を更新しています。(rr. 2666075, 2666045)

  • カラムビューでインターネットのURLファイルを開く時にFinderがクラッシュする問題を修正しました。(r. 2666098)

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FireWire

IEEE 1394のシステムサービスはIOFireWireFamily.kextと関連コンポーネントが提供しています。

  • 一部の機種でFireWire(FWIMとドライバ)が正しくロードされない問題が解決されました。(r. 2666213)

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描画と印刷

ここではMac OS Xの描画と印刷機能の変更点について記述しています。

  • 特定の解像度でPMSessionMakeOldPrintRecordを呼び出すと不正なPrintRecordが作成されてしまう問題が解決されました。(r. 2656456)

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カーネル

カーネルはオペレーティングシステムの最も下のレイヤーで、システムソフトウェアサービスとハードウェアの間の調整を行います。

  • sysctlですべてのカーネルプロセスを取得する場合、カーネルパニックが発生する可能性がありましたが、この問題を解決しました。(r. 2677729)

  • HFSファイルシステムをNFS経由で共有した際に、一部のファイルが共有されない問題がありました。これはHFSディレクトリのサイズを計算する時に“.”や“..”の項目を正しく念頭においていなかったためでした。この問題は修正されました。(r. 2680605)

  • xnu-133カーネルにおいて、getdirentriesまたはlsを使用した場合、HFS形式のファイルシステムで重複した項目が返ってくることがありました。これはカタログのイテレータがhfsdotentry構造体2つ分のオフセットを使用していたためですが、オフセットをゼロにして、直接VCBとFCB構造体を指すポインタを設けることで解決しました。(r. 2682032)

  • JISキーボードID 207がID 202(ANSI)と認識されてしまう問題が修正されました。(r. 2666480)

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Login Window

Login Windowはシステムブート時に起動される、ログイン用のソフトウェアアプリケーションです。

  • AFPのユーザホームディレクトリがホームディレクトリの下の階層の場合、Login Windowが正しく動作しないことがありましたが、これは修正されました。(r. 2660640)

  • Login Windowは/System/Library/CoreServices/ServerVersion.plistの存在に応じて、Mac OS X Server向けの“このMacについて”ウインドウとログインパネルを表示するようにしました。(r. 2669206)

  • Login WindowでAFPの共有ディレクトリをユーザのホームディレクトリとして使用する場合、mountURLPtrに対してkCreateNewSessionフラグを設定するようにしました。このフラグが設定されていないと、前回のセッションを使ってディレクトリをマウントして、間違ったアクセス権でマウントすることがありました。(r. 2665928)

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Network Services Location

Network Services Location(NSL)はプロトコルに依存しない、ネットワーク上のサーブスを登録/検索するためのサービスを提供しています。

  • Directory Agentsサービスは3分間に一度リフレッシュをしていましたが、本来の3時間の値に修正されました。(r. 2681863)

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ntpd

ntpd(Network Time Protocol Daemon)はコンピュータの日付と時刻をインターネット上のネットワークタイムサーバと同期させています。

  • ntpd(Network Time Protocol Daemon)が更新されました。詳しくはApple Product Securityのウェブサイトをご覧下さい。(r. 2675401)

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prebind

Prebindingを行うことによって、Mac OS Xアプリケーションの起動時間を短縮させることができます。Prebindingの詳細についてはhttp://developer.apple.com/tools/projectbuilder/Prebinding.htmlをご覧下さい。Prebindingの主な変更は“Optimizing System Performance”のprebinding実行中の動作に関わるものです。

  • Prebinding実行中は100MBほどのディスク容量を一時的に使用することがありますが、この領域はコンピュータ再起動時までリリースされていませんでした。これは改善され、prebinding終了とともに、領域がリリースされるようになりました。(r. 2675783)

  • Prebinding実行中にクラッシュを引き起こす可能性のある問題がいくつか修正されました。(rr. 2670541, 2648491, 2680789, 2686472)

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Smart Card Support

PC/SCはシステムに接続されているsmart cardを共有するための低レベルデバイスAPI、アプリケーションAPI、リソース管理機能を提供する、既存の規格(ISO7816やEMV)に基づく規格です。

  • ソフトウェアアップデート10.0.2はPC/SC規格のサポートを追加します。(r. 2682593)

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ビデオドライバ

ビデオ回路を管理しているシステムソフトウェアコンポーネントです。

  • 一部のiBookで外付けのモニタが使用できない問題が解決されました。(r. 2658780)

  • 一部のiBookでATIのドライバがスリープからの復帰時間を必要以上に長くとっていた問題が解決されました。(r. 2670612)

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Mac OS X 10.0.3

ここではソフトウェアアップデート10.0.3の変更点を記述しています。

  • ディレクトリのファイルをくり返し参照するための低レベル関数を改善しました。(rr. 2680605, 2688546)




Mac OS X 10.0.4

ここではソフトウェアアップデート10.0.4の変更点を記述しています。



オーディオ

Mac OS Xのオーディオサービスは様々な形式でサンプリングされた音声の再生/録音用APIを提供しています。

  • 一部のPowerBookで、ハードウェアと一致していないオーディオドライバがロードされていた問題が解決されました。(r. 2662883)

  • 一部のPowerBookで、スリープの際にオーディオ関連の回路が正しく閉じられなかったために、“突然変異したやかんの湯が沸いたような音”が発生していました。この問題は解決されました。(r. 2683816)

  • 一部の旧Power Mac G3コンピュータで、ヘッドホンの音量設定が正しく反映されない問題を解決しました。(r. 2685033)

  • サウンドの設定パネルで音量やバランスを変更した時に、ゆがみやノイズが発生しないように改善しました。(r. 2696488)

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Carbon

Carbon APIはアプリケーションで使用されるユーザインタフェース機能(Window Manager、Control Manager、MLTEなど)を中心に提供します。

  • デッドキー(オプション-iなど)がKeyEventの形でJavaアプリケーションに行き渡っていない問題を解決しました。(r. 2658544)

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Carbon Core

Carbon CoreはCarbonのユーザインタフェースを伴わない部分(メモリ管理、プロセス管理など)の実装コードです。

  • SCSIBusInquiryは正しい結果を返さない場合がありました。この問題は解決されました。 (r. 2663764)

  • SCSIAction内のSCSIBusInquiryはSCSIバスを持たないコンピュータで実行した時にクラッシュしていました。この問題は解決されました。(r. 2688494)

  • NewSCSICallbackUPP関数は正しい値を返していませんでした。具体的にはSCSICallBackUPPのグルーコードが間違っているのが原因でしたが、ソフトウェアアップデート10.0.4で改善されています。(r. 2688501)

  • SCSIBusInquiryを実行した時に、複数のSCSIバスを持つコンピュータで1つのバスに接続されている機器がすべてのバスに表れる問題を修正しました。(r. 2693298)

  • 存在しないデバイスに対してSCSIActionを呼び出した時でも、completion関数が正しく呼ばれるように改善しました。(r. 2693361)

  • Carbon CFMアプリケーションの'cfrg'リソースにあるスタックサイズは常に無視され、実際のスタックサイズは512K固定となっていました。LaunchCFMAppはスタックサイズを尊重するようになり、最大64MBまでのスタックを作成します。(r. 2694324)

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Classic

ClassicはMac OS Xの保護されたメモリ空間内でMac OS 9.1を実行するための環境です。Classic環境によって、Mac OS 9用に開発されたアプリケーションのほとんどが、Mac OS X用に開発されたアプリケーションと同時に実行できます。ユーザは、今まで使ってきたソフトウェアとの互換性を心配せずにMac OS Xへアップグレードできるのが最大の利点です。

  • 一部の条件下で、Classic環境で管理しているキー情報がキーボードの実際の動作とシンクしないことがありました。この問題を解決しました。(rr. 2667096, 2658460, 2658881).

  • 一部の条件下で、カーソルが突然消えることがありました。Classic環境が背後にある状態でClassic環境のアプリケーションがカーソルを隠そうとした場合、カーソルは隠されなかったものの、画面上のカーソルの状態とClassic環境のカーソル管理状態がシンクしなくなって、突然消えるような症状が発生していました。この問題は修正されました。(r. 2696069)

  • TCPヘッダ圧縮を使うオプションが設定されていると、Classic環境でPPP接続が正しく動作しない問題を解決しました。(r. 2696070)

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Core OS Networking

Core OS NetworkingはMac OS Xのすべてのネットワークサービスの基盤となっています。Open Transport APIなどのネットワークサービスはすべてCore OS Networkingの上に構築されています。

  • System Preferencesのネットワークパネルの“PPPエコーパケット”設定が使用可能になりました。(r. 2681672)

  • MTUサイズを超えるICMPメッセージが正しくClassic環境に行き渡っていなかった問題を解決しました。(r. 2522913)

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Disc Recording

Disc Recording Framework(ソフトウェアアップデート10.0.2で導入)はCD-Rへの書き込みに対応した内蔵CDドライブに加えて、多くのサードパーティ製の外付けUSB CDドライブとFireWire CDドライブでCDの作成機能を提供します。

  • 内蔵CD-RWドライブや外付けCD-RWドライブへの対応を改善しました。具体的には認識されないドライブ、CD-R作成時の不安定な動作、奇数のバイト数を持つTOCの認識問題、カーネルパニックなどが発生しないよう修正しました。(rr. 2683314, 2684879, 2688442, 2693251, 2693255, 2693268, 2693278,2693264, 2701242)

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FireWire

IEEE 1394のシステムサービスはIOFireWireFamily.kextと関連コンポーネントが提供しています。

  • 複数のFireWireデバイスが接続されている環境で、コンピュータを再起動させるとカーネルパニックが稀に発生することがありました。この問題を解決しました。(r. 2648149)

  • スリープから復帰した際に、ヘッドホンの音声が止まることがありましたが、この問題を解決しました。(r. 2689355)

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Installer

Mac OS Xに付随するInstallerアプリケーションの変更点。

  • 再起動ボタンを持つパッケージでユーザが再起動ボタンをクリックしたにも関わらずコンピュータが再起動しない現象がありましたが、これを修正しました。(r. 2530722)

  • ソフトウェアをインストールした時に、既存のシステムディレクトリはアクセス権を変更しないようにしました。(r. 2646401)

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IOKit

IOKitは周辺機器用などのハードウェア製品をMac OS Xで使用するための低レベルAPIを提供しています。

  • IOKitUserで使用される新しい構造体の定義はIOUSBLib.hに追加されました。(r. 2695039)

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カーネル

カーネルはオペレーティングシステムの最も下のレイヤーで、システムソフトウェアサービスとハードウェアの間の調整を行います。

  • ソケットがデータを受け取っているにも関わらず、selectがタイムアウトを返すことがありましたが、これを修正しました。(r. 2680180)

  • PBSetCatInfoで修正日時を変更した場合、ファイルシステムで正しく反映されるよう、HFSファイルシステムを変更しました。これは特にCarbonデベロッパにとって重要な変更です。以前はMacTypes.hなどのヘッダファイルを開くだけで、ソースツリーがすべて作り直されることがありました。(r. 2651481)

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Mass Storage

様々な記憶装置にアクセスするためのドライバの変更点です。

  • 内蔵CD-RWドライブや外付けCD-RWドライブへの対応を改善しました。具体的には認識されないドライブ、CD-R作成時の不安定な動作、奇数のバイト数を持つTOCの認識問題、カーネルパニックなどが発生しないよう修正しました。(rr. 2685583, 2685789, 2688442, 2693251, 2694511)

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OpenTransport

OpenTransportはCarbon APIの一部で、Mac OS XのCarbonアプリケーションでネットワークサービスを提供しています。

  • 大量のデータを受信している際に、OTRcv関数のNotification関数にsync-idleイベントが正しく送られてこない問題を解決しました。(r. 2696806)

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QuickDraw

QuickDrawは画面やラスターデバイスの描画用APIです。

  • packtypeが2であるDirectPixコードを含むPictureをDrawPictureなどで描画するとクラッシュする問題を改善しました。(r. 2663619)

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USB

Mac OS USB enables USB support for those Macintosh systems that have built in USB hardware.

  • USBパイプを停止した時にカーネルパニックが発生する可能性がありましたが、これは解決しました。(r. 2666319, 2686886)

  • 特定のサードパーティUSB装置が接続時に認識されないタイミング問題を修正しました。(r. 2684535)

  • 一部のUSBスィッチが接続されているとUSBバスが機能しなくなる問題を解決しました。(r. 2645235)

  • 電源供給型のUSB 2.0ハブがキーボードポートに接続された時に表示される電源不足アラートを修正しました。(r. 2681047)

  • USB Common Class Specificationで定義されているマッチング項目以外の指定(マッチングパーソナリティがidVendor、bDeviceClass、またはbInterfaceClassを含む)を可能にしました。また、マッチングされなかった場合のデバッグ情報を詳細なものにしました。(r. 2587298)

  • HID Managerが返すことのできるHIDプロパティを増やしました。(r. 2682971)

  • IOUSBFamilyからIOUSBHubを外して、独立したドライバにしました。(r. 2645719)

  • IOUSBCommandを構造体からIOCommandのサブクラスに変更しました。(r. 2685494)

  • IOUSBFamilyでOSReadLittleInt16をすべてUSBToHostWordからHostToUSBWordに変更しました。(r. 2570272)

  • busUSBの“busNumber”プロパティは'AAPL,bus-id'を使用しています。(r. 2617571)

  • USBDeviceOpenSeize APIを追加しました。(r. 2332903)

  • USBバスのサスペンドとレジューム機能を追加しました。(r. 2392345)

  • USBマウスが稀に機能しなくなる問題を解決しました。(r. 2437231)

  • デベロッパがIOUSBPipeのタイムアウト値を設定できるようにしました。(r. 2469597)

  • パイプ0を停止させるだけのためにIOUSBInterfaceInterfaceを作り上げてなくてもいいように、USBDeviceAbortPipeZero(device) APIを追加しました。(r. 2625996)

  • SetAlternateInterfaceを呼び出したあとに、ユーザモードのGetNumEndpointsが正しいエンドポイント/パイプ情報を返していませんでしたが、これを修正しました。(r. 2648578)

  • USBポートでUSBデバイスの抜き差しをくり返していると、USBポートが次の再起動まで使用不可能な状態になることがありましたが、この問題を修正しました。(r. 2633741)

  • USBデバイスとの接続を開かなくても、ベンダー名、製品名、リリース名などの文字列を取得するためのAPIを追加しました。(r. 2664895)

  • 一部のキーボードやマウスがスリープからの復帰後に反応しなくなる現象を解決しました。(rr. 2679696, 2599713, 2629953, 2624423, 2486041, 2437545, 2635140, 2615364, 2507831)

  • USBデバイスのリセットを可能にしました。(r. 2689555)

  • USBエラーコードの忠実度が上がりました。(r. 2690450)

  • USBSpec.hに新しい定数(kUSBVendorIDとkUSBProductID)を追加し、混乱を避けるために古い定数を削除しました。(r. 2690938)

  • 実装されているものに合わせるため、IOUSBDeviceUserClient.hにあるIOUSBDeviceUserClient::DeviceReqInOOLの定義で、2つ目と3つ目のパラメータを入れ替えました。(r. 2692161)

  • USBのユーザクライアントがDeviceRequestを呼び出した時に、IOUSBDevRequestのwLenDoneフィールドが実際のバイト数を反映するようになりました。(r. 2692162)

  • USBのユーザクライアントのDeviceRequestAsyncは、USBデバイスがSTALLを返した時も正しく処理します。(r. 2696038)

  • USBのユーザクライアントのSetAlternateInterfaceの動作を改善しました。(r. 2699041)

  • バルクパイプの処理は指定された時間でタイムアウトするようにしました。(r. 2701019)

  • キーボードのUSBハブに接続されているUSBスピーカを抜くとカーネルパニックが発生する問題を修正しました。(r. 2701829)

  • サイズがゼロのパケットでも、USBバスに流れるようにしました。(r. 2701957)

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ビデオドライバ

ビデオ回路を管理しているシステムソフトウェアコンポーネントです。

  • 一部のサードパーティビデオカードをスケーリングモードで使用した時の描画を改善しました。(r. 2690249)

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Window Server

Window Serverは複数のプロセスが画面を共有する際の仲裁役を果たします。

  • 特定の条件で、スリープ状態のディスプレイを利用する際にWindow Serverがクラッシュする可能性がありました。この問題は解決され、スリープ状態のディスプレイはアクセスの対象となりません。(r. 2689901)

  • ディスプレイのトラッキングやキャスティングオペレーション中に終了したアプリケーションのコネクション単位のストレージにアクセスするとWindow Serverがクラッシュしましたが、この問題は解決されました。この機能はコンピュータをリモートコントロールで使用するようなアプリケーションにおいて、ディスプレイ環境の変更を認識するために必要です。(r. 2692010)

  • OpenGLまたは他のウインドウの上に半透明のウインドウがあった場合のWindow Serverのパフォーマンスを向上させました。(r. 2693772)

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Web Sharing Update

Web共有機能を使うと、コンピュータをHTTPサーバとして利用することができます。Mac OS XのWeb共有機能はApacheによって提供されています。Web Sharing Updateは独立したソフトウェアアップデート項目として提供されています。

  • Web共有の機能はApache 1.3.19に基づいています。(r. 2664451)

  • Web Sharing UpdateのApacheソフトウェアには、大文字/小文字を識別しないHFS+ファイルシステムへの対応を改善するmod_hfs_apple機能拡張モジュールが含まれています。(r. 2488884)

  • Web Sharing UpdateのApacheソフトウェアはSSH 2プロトコルに対応しています。(r. 2680762, 2714663)

参考文献

Mac OS X技術文献
  http://developer.apple.com/techpubs/macosx/macosx.html

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